PMDDとは

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PMDDとは

PMDDとは、PMSよりさらに症状が強く、日常生活に支障をきたすような症状が見られるもので、月経前不機嫌性障害(Premenstrual Dysphoric Disorder, PMDD)といいます。PMDDは、生理のある成人女性の約5%に見られる症状であるとされています。

PMDDでは、PMS以上に精神症状が顕著に現れるという特徴があります。

通常、月経前に起こる不快な症状は
PMS(premenstrual syndrome)といい、月経のある女性の20~50%に見られると言われています。
これまでPMSと診断されたり、自覚したりしてきた女性の中でも、
特に精神面での症状が重く、自制が効かずに対人関係に問題を起こしてしまったり、
自殺念慮がある、場合、PMSとは別のPMDDであることが分かってきました。

ある調査では、月経のある女性の3から8%がPMDDの基準に当てはまるそうです。

月経のある女性の20人に1人がPMDDの可能性があるということになります。

生理痛や、生理の前の下腹部痛・頭痛などの身体症状だけではなく、月経前になると、
自分ではコントロールできないような強い抑うつ感やイライラ、攻撃的になる(子供への虐待、身近な人への暴言)、仕事に支障をきたすほど集中力がなくなってしまう、などの重い精神症状がある場合、PMDDである可能性があります。

PMDDは、PMSや月経困難症(生理痛)のような、婦人科疾患ではなく、うつ病のひとつであると、欧米では認識されています。

当然、治療法も、PMSとPMDDとでは違ってきます。

しかし、日本ではまだPMDDはあまり知られていません。

PMDDであるのに、ホルモン剤や漢方薬によるPMSの治療を続けていて、
症状の改善が見られず、苦しんでいる女性が多くいると考えられます。

また、変調性気分障害など他の精神疾患とPMDDも間違いやすいと言います。

PMDDは生理痛などの月経前困難症、PMSと同じように、生理が終わってしまえば次の生理の前までは症状がないために、放置されていることも多いのですが、妊娠可能な年齢の間ずっと毎月生理前1週間つらい症状がある、というのは人生の1/5をムダにしていることにもなりかねません。

PMDDは比較的新しい病気であるために精神科医の中でも診断・治療の経験がある医師がまだ少ないのですが、PMDDの診断基準・治療ガイドはあり、治療すれば治る病気です。書籍などで自己チェックしてみて、PMDDかも、と思ったら、医師の診察を受けてみましょう。

PMDDの原因

PMDD(月経前不快気分障害)の原因は、まだはっきりとしたことは分かっていません。

現在、PMDDの原因として仮説となっているのは、生理の前に分泌量が増加するプロゲステロン(黄体ホルモン)またはプロゲステロンの代謝産物によって、脳内のセロトニン分泌量が抑えられる、というものです。そこで、PMDDはうつ病のひとつであると考えられています。

しかし、プロゲステロンは月経のあるすべての女性で分泌量が増加するのに、PMDDを発病するのは月経のある女性の5%程度です。また、年齢的には10代では生理があってもPMDDの症状がある女性はまれで、PMDDの患者のほとんどは20代以降です。

考えられることは、PMDDにかかりやすい人が就職、結婚、出産などのライフイベント、学校・職場・家族などの対人関係の問題などのストレッサーを引き金にして、PMDDを発病する、ということです。女性特有のストレッサーとして、生理周期にともなう女性ホルモンの変化自体が体内のホメオスターシスを変化させる、ということもあげられます。

また、一般のうつ病、PMDDに共通して、たんぱく質、鉄分、ビタミンB群などの栄養素の不足、低血糖症などの栄養・代謝の問題が原因であると考え、栄養療法を行っている医師・病院もあります。

出産後、PMDDを発病することがありますが、出産と子育てという大きなライフイベントがストレッサーになるとともに、妊娠・出産によって女性の体は栄養不足になりがちで、一見、問題ない食事をしているようでも、さまざまな代謝に必要な栄養が不足して、偏重をきたす、というものです。
ではPMDDになりやすいタイプ、というのはあるのでしょうか。

月経のある女性の20人に1人がPMDDである、という率を考えると、どのような女性もPMDDにかかる可能性があるということができます。

一般的なうつ病に関しては、うつにかかりやすいタイプ、というのが知られていますが、PMDDは比較的新しい病気であるために、まだそのようなタイプがはっきりとはしていません。しかし、傾向としては、一般のうつ病と同様に、責任感が強い、頼まれると断れない、まじめで几帳面、他人に細やかに気配りする、などの特性があるようです。

PMDDの症状

PMSと区別がしにくい、とされるPMDDですが、PMDDであるかどうかを判断するための基準として、次のような症状がPMDDでは現れやすいとされています。

1. さしたる理由がないのに抑うつ気分、絶望感、自己卑下の観念に襲われる
2. 漠然とした不安、緊張感、「緊張が高まっている」「イライラする」感じが強くなる。
3. ひどく情緒が不安定になり、敏感に反応して急に泣き出したり、わめいたりする。
4. 怒りっぽくなり、些細なことで家族、恋人、友人、上司、同僚と口論になる
5. 普段は興味のあることがおっくうになり、どうでもいい、いった投げやりな気分になる。
6. 集中力が減退し、ミスが多くなって勉強、仕事がはかどらない。
7. 体がだるく、異常に疲れやすくなる。
8. 普段に比べて過食になったり、甘いものや炭水化物などの特定の食べ物が無性に食べたくなったり、逆に食欲不振になったりする。
9. 1日中眠くてしかたがない、逆に不眠になる。
10. 圧倒されるような感覚や、自分で自分がコントロールできないという感覚がある
11. 乳房の張りや頭痛、腰痛などの他の身体症状、「体が膨らんでいる」という感覚がある。

これらの症状のうち、1~4までの複数の症状に当てはまり、かつ全部で5つ以上の症状が、1年以上にわたって生理の前ごとに繰り返し現れ、日常生活に支障をきたしている場合、PMDDである可能性があります。また、これらの症状は生理が始まると消え、生理が終わった後の1週間は全く見られないことがPMDDと診断される条件になります。生理が始まっても症状のいくつかが残ってしまっている場合は、PMDDではなく、PMDDとよく似たほかの病気であることが疑われます。

ただし、頭痛や腰痛などの身体症状が、生理が始まっても残っている、または、生理が始まると生理前とは別の身体症状(下腹部痛など)が現れるという場合に葉、PMDDによる症状から、生理痛(月経前困難症)による症状へと移行している可能性があります。つまり、PMDDと生理痛の両方の症状を持っているというケースです。

PMDDであるかどうかの最終判断は、PMDDを診断・治療した経験がある精神科医を受診して、診断をうけたいところです。

PMDDの治療

PMDDは月経前困難症(生理痛)やPMSとは違って、婦人科の病気ではなく、うつ病の一種なので、治療は精神科で行われます。

一般に、PMDDに対して効果があるとされている治療法は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)という抗うつ剤の服用による治療です。SSRIは抗うつ剤ですが、うつ病のほかにも、社会不安障害やパニック障害、片頭痛、痛みの治療などにも用いられています。

PMDDの抗うつ剤による治療では、ずっと薬を飲み続ける継続的両方と、症状が出ているときだけ、または、生理前の症状が出ると予想される期間だけ薬を飲む間欠的療法とがあり、最初は間欠的療法をとることが多いようです。間欠的療法で効果が上がらない場合も、継続的療法で症状が緩和されることがありますし、SSRIにも複数の薬があって、ある薬で効果がなくても別の薬が効くこともあります。

SSRIには、吐き気、嘔吐、下痢などの消化器官症状、眠気、不眠、イライラ感、性機能不全などの有害作用があります。つらい有害作用が続く場合は医師と相談して、他の薬剤に変更したほうがよいでしょう。

SSRIを飲んでPMDDの症状が出なくなってから、1年程度は予防的に薬を飲み続けたほうがよい、とされています。また、PMDDは一度症状がなくなっても、ライフイベントやストレッサーによって、再発することがありますので、ストレッサーがある期間中、再度薬を服用するということもあります。

PMDDはまだあまり知られていない病気であるために、精神科医であっても治療経験があるとは限りません。予約時にPMDDだと思うが診察してもらえるか、どのような薬での治療になるか、などを尋ねると、適切な治療を行える医師であるかどうか、ある程度の判断の目安になります。

一方、栄養療法を行っているクリニックでは、血液検査によって不足している栄養素と体内ホメオスターシスの乱れている状態を調べ、低血糖症が原因であると考えられる場合には糖負荷検査が行います。検査の結果、主に医療用サプリメントを処方する治療を行いますが、症状や体質によって、漢方薬や西洋医学の薬を併用することがあります。治療効果が出るまでの期間は約3ヶ月程度であることが多いようです。



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